1973年7月5日(木)政経、一文の学大は革マルと当局の妨害によって開催できず。

提供: 19721108
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【概要】

自治委員選挙貫徹、早稲田祭実現などを議題に政経、一文両学部で学生大会を予定していたが、革マル派は数日前から「学大粉砕」を叫び300名が本部を制圧し、一文に情宣活動を展開。早大当局は警視庁に警備を要請し、一文門外で集会はできたものの、機動隊の規制で外濠公園へ。結局、政経と一文の学生大会は開催されなかった。また、この日から、武装革マルと当局とによる検問体制が数日間続いた。

【学生大会の課題】

学生大会に向けて一文自治会執行委員会が出したビラでは、「私達はこの学大で、8ヵ月の闘いを再度振り返り、武装問題、私達の更なる大衆運動の貫徹、早大解放闘争とは具体的に何を獲得しようとするものなのかを鮮明にし、秋期における総長団交、早稲田祭の課題に向けての一文としての5.17などの教訓をふまえた形での本格的取り組み、そしてこの分断状況を打開せんとするための方針化、あるいは10日から予定されている試験の問題」等が、課題としてあげられている。

【革マルによる妨害】

この日予定されていた政経、一文の学生大会は、革マルの妨害によって中止となった。その模様を1973年7月5日付朝日新聞夕刊は次のように報じた。
「5日午前8時半すぎ、東京・新宿区の早稲田大学で、反革マル学生の学生大会を妨害しようとして集まった革マル派学生9人が、凶器準備集合などの現行犯で警視庁機動隊に逮捕された。この日、早大では政経、一文両学部で午後から(1)自治委員選挙貫徹(2)早稲田祭実現などの課題で反革マル自治会執行部などの学生大会が行われることになっており、革マル派は数日前から『同学生大会粉砕』などを叫んでいた。このため、早大当局は警視庁機動隊に同大学周辺の警備を要請していた。また、文学部当局はこの日午前8時20分からの授業開始を前に、午前8時から『学外者立ち入り禁止、学生証チェック』の検問態勢をひき、教職員30人が同学部正門で登校する学生一人一人に学生証の提示を求めた。同午前7時半すぎ、早大周辺には警視庁機動隊約150人が配置についた。同午前8時半すぎ、ヘルメットの入った紙袋や鉄パイプ入りのボストンバッグを持った学生約30人が早大本部前や地下鉄早稲田駅、戸塚一丁目交差点付近にあらわれたが、機動隊に阻止され、うち9人がつかまった。」
同日の毎日新聞夕刊によれば、押収されたのは鉄パイプ約30本で、ナップザックにあったヘルメットには「Z」の文字があったという。

【革マルによる検問】

早稲田キャンパス182号の日誌7.5には「予定されていた第一文学部、政経学部の学生大会は、執行部などが構内にはいれず、開催されなかった。この日を含めて数日間、革マル派が正門、西門などで一般学生の所持品検査などを行った。当局はこれに対して、警告する旨の告示を行った」とある。当局の告示が出されたのは6日で、内容は以下の通り。当然のことながら告示のみで、当局による規制等の具体的行動はなかった。
「告
さる7月5日および6日の両日にわたって、正門、西門、ならびに文学部正門付近において、革マル派と思われる者が本大学の学生に対してその所持品をチェックするという事件が生じた。
大学から再三警告したようにこれらの行為は誠に不法なものであって、看過し難いものである。教職員、学生の間から非難の声があがったのは当然である。
しかも、学外者を使ってかかる行為をさせたと考えられるにいたっては、その責任を問わざるを得ない。今後、重ねてこのような不法な、かつ愚劣な行為をくり返さないよう、関係者学生に厳重な警告をするものである。
昭和48年7月6日
早稲田大学」


【リンク】

一文学生大会を総力をもって克ちとろう