1973年5月10日(木)商学部学生集会。一文自治委員協議会で総長団交と自治委員選に関して討議。

提供: 19721108
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【概要】

自治委員協議会で、5.17総長団交へ向けて、各クラスから団実委を選出して、実体のある全学団交実行委員会の結成が話し合われた。また、新年度を迎え、新執行部選出の前提となる自治員選の実施も提案されたが、その後の経過については不明である。一文キャンパスでは、情宣ばかりでなくクラス討論も革マルによる妨害を受け、クラスの意志一致を図る機会が得がたくなってきていた。


【この日のできごと】

◎商学部学生大会(自治会費横流し糾弾)10号館109教室で予定も、革マルが内バリを築いたため8号館301教室に変更。定足数に達せず学生集会200名。


【商学部学生大会は学生集会に】

この日予定されていた商学部学生大会は、革マルの妨害によって会場の変更を余儀なくされ、定数に満たず学生集会となった。「早稲田キャンパス」177号によると集会では、商学部当局が凍結していた自治会費を革マル派常任委員会の請求に基づき支払ったという自治会費問題についての発言があり、今後これを「自治会費横流し」問題として取り上げていくことが決められた。(5月7日を参照)また、商学部の学部団交実現のため、各クラスから1名以上の実行委員選出他、17日の団交までに再度学生大会を開く旨の付帯決議が採択された。


【自治委員協議会】

5.17団交に向け、一文では各クラスの意見を集約するための自治委員協議会が開かれた。『一文有志の記録』によれば、参加したのは1年生13クラス、2年生12クラス、3年専修5(編註:いずれも旧学年)であった。ここでも5.8『総長』団交を実施した「全学団交実行委員会」の実体、存立基盤が問題となった。協議会では、5つの原則を確認した上で団交に参加する趣旨の決定がされた。
1.学大等による大衆的な団実委の結成
2.各クラスから1名の団交実行委員を選出
3.各執行部、団実委で話し合い、全学団交実現に関する要求項目、運営方法について協議し、意志一致をする(5.17にはこだわらない)
4.以上の点を守ることにより、各学部自治会の闘いを踏まえ、全ての自治会の確認の元に行う
5.5.8団交の主催が全学団交実行委という実体のない名称を使用し、準備について大衆的な確認をとらなかったことを自己批判すること


【自治委員選挙の実施】

新学期を迎え、新執行部にとって在校生と新入生を自治会員として組織するための自治委員の選出は急務であった。自らが定めた九原則においても、当局の要求である五原則においても、新執行部は、クラスの総意を代表する自治委員によって選出されることとなっていたからである。ちなみに各クラスで自治委員選が成立するためには、成員数の過半数超の定足数を満たすことが要件となっていた。たとえば、成員数62の新2年D組では定足数32、成員数36の新2年J組では定足数19であった。
自治委員選に先立って1月23日の一文学生大会で可決された仮規約に基づいて選挙管理委員を公募する趣旨のビラが残っている。仮規約によれば、選挙管理委員会は各クラス・専修1名を原則として20名で構成され、正副委員長各1名、書記2名を置く。また、他の一切の役職(たとえば自治委員)を兼任することはできないとされている。公募のビラには「選管委員は自治委員に立候補できないので、その点をよく考慮した上、クラス・専修ごとに選出してください」という付記がある。また、文学部キャンパスの出入りが事実上不可能だったことから選管事務所は暫定的に8号館ラウンジとされた。
しかしながら、混乱を極めた文学部で選挙管理委員会が設けられ、自治委員が選出されたかを検証できる資料は見当たらない。ただ、自治委員協議会が開かれていることから、選挙は可能な限りにおいて実施され、クラス委員が選出されていたものと推測される。


【クラス討論の呼びかけ】

5.17を前に、一文2年生の討論集会が呼びかけられた。8号館ロビーに集合とあることから、一文キャンパスでの活動が難しかったことが伺える。
テーマの1つは5.17団交の要求課題の決定、さらに当局による試験攻勢に対する取り組みの2つであった。
「去年来の私達の願望であった総長団交が5月17日に設定された。問題もあろうが、私達の要求課題をクラス討論やこの集会等で練りに練って臨む必要がある。そして5.17以降も私達の要求貫徹まで何度も討論を重ね、再団交、再々団交を設定していかなければならない。」
試験については、「5月7日学部団交を貫徹できず、なし崩し的に試験強行を受け入れるような状況に陥ってしまった。そこにおいてあくまでも試験攻勢に抗(しようと)した人と消極的ながら試験を受け入れた人との分断状況。(ほとんどのクラスにおいては全員受験もしくは全員ボイコットして延期のどちらか)」であったため「分断しつつあるクラスを早急にクラス討論等によって再建しなければならない。自治会やその他の組織においても基礎になり根底になるのはクラスや専修であり、クラス・専修から自治会運動を推進していくのだ」と、クラスの重要性を強調している。
新年度を迎え、旧2年生は仮進級とはいえ各専修へと分散し、事実上それまで活動の母体となっていたクラスは解体した。これによって、新1年生への情宣活動をはじめ運動を中心となって推し進めるなど、新2年生が担うべき課題は増した。


【リンク】

1文自治会昭和48年度選挙管理委員公募
1文2年生討論の輪を!