1973年2月22日(木)教育専任教員会が「2.22見解」を学生に郵送。

提供: 19721108
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【概要】

入試期間中のロックアウトで、当局との折衝は持ち越された形になったが、前日に政経学部が学部長名で出した見解に続き、教育学部も見解と試験日程を学生宛に郵送した。

【この日のできごと】

●教育学部専任教員会が、学部の見解を文書化し、学年末の試験日程とともに学生に郵送した。
■田中敏夫(24)が46年秋の内ゲバ事件判決を不服とした控訴が棄却されたため収監される。公安部は、新宿区弁天町の自宅を「被疑者不詳、不法監禁、殺人、死体遺棄」で捜索した。


【教育学部「2.22見解」の論調】

「なぜこうなったのか」「なにゆえなのか」「何なのか」…教育学部専任教員会が郵送した文書は、“問いかけ”によって状況に焦点を当て、その“答え”に見解を盛り込む形で構成され、これまでの申し渡し調とは趣を異にしている。
たとえば、「学生諸君、あらためてよく考えてほしい。学部は大学という知性の府にあるものとして、あくまでも諸君の良識に訴え、それを信じて諸君に対してきた。学部はそうした学部の姿勢なり努力を、それとして学生諸君の大方が理解してくれていることを知っている。
しかも事態がかくまで紛糾し、暗い見通しを否みがたい状況にあるのは、なにゆえなのか」という問いには「端的に言おう。諸君の中には、川口君事件を生むに至った責任を、大学と革マル派との癒着にあるとする意見がある。そしてそれを喧伝する向きがある。いうまでもなく、そのような事実はない。自治会問題に関して特定のセクトだけを相手にするようなことはない」という文章が続く。
3000字におよぶ長文の最後は次のように結ばれている。
「諸君、考えてほしい。多様な問題の中に諸君自身を置いてあらためて問い直してほしい。自治会問題をめぐって、百余日にわたり懸命に努力してきた多くの学生諸君を眼の前にしながら、本当に諸君の真摯ないとなみが、より健全な、よりみのり豊かな結実を迎えることを願いつつ、ここに衷心より諸君に訴えるものである。」

【教育学部掲示(2月22日付)】

「教育学部全学生諸君へ
2月22日、学部専任教員会は、自治会承認問題について次のような決定を下した。
 『教育学部学生自治会常任委員会』(永井友則委員長)のもとで新年度はじめのあらかじめ公示された期間に、民主的なクラス委員選挙、クラス委員総会、新執行部選出がなされたところで、学部はこの自治会組織を教育学部学生自治会員の総意に立つものとして承認する。(ただし、規約については関知しない。)
全学生諸君が学部の意のあるところを正しく理解してくれることを期待してやまない。
   2月22日               教育学部専任教員会」


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