1973年2月10日(土)二文当局が自治会承認に向け確約書に署名。一文で新入生歓迎実行委の初会合。

提供: 19721108
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【概要】

二文の団交で学部長が自治会承認へ努力する旨の確約書に署名した。学内では、卒業試験の実施(一部レポート化)、学期末試験の無期延期等、各学部の対応がほぼ出揃い、2月末からの入試の準備へ向かいつつあった。受験生への情宣、新入生との連帯等、新たな取り組みが求められるなか、新入生歓迎実行委員会が中心となって、企画立案および呼び掛けが始まった。

【この日のできごと】

◎一文「新入生歓迎実行委員会」が初会合。
●二文団交の席上、守谷富生学部長は臨執を承認する方向へ努力するとの内容の確認書に署名した。
●学部長、教職員40名参加による教育学部団交が決裂。


【二文学部長の確約書】

「混乱の続く早稲田大学の守谷富生第二文学部長は10日夜、同学部学生自治会臨時執行部(反革マル)との団交で、現在の臨時執行部を承認する方向へ努力するとの確約書を書いた。」(1973年2月12日付毎日新聞)
確約書は「昨年の11.30日の学生大会を学生集会と呼んでいた事を撤回し、前規約に基づいた正式な学生大会と認めます。私は、昨年の11.30学生大会およびそこで決議された内容を即時無条件で承認し、また責任をもって教授会に承認する様、要請します」(1973年3月10日付早稲田キャンパス)というもの。
11.30の学生大会での決議は「①革マル派自治会執行部リコール②革マル派自治会規約廃棄③臨時執行部選出」の三項目で、「これで第二文学部当局は臨時執行部の事実上の承認を強く迫られることになった」と毎日新聞は報じた。
実際に二文当局がこの確約書に呼応した形で態度を表明したのは、1ヵ月後の3月13日付の告示においてであった。
この中で「臨時執行部と折衝に応じる考えである」としながらも「2月10日当日に見られたような、学部長に対する強圧的姿勢は甚だ遺憾であり、当日の学部長の諸確認書はそのままには認めがたい」と、新たに5つの条件を提示した。
1)新執行部が、学生大会決定事項につき、学部投票等の方式で学部自治会員過半数の支持を確認すること。
2)クラス委員(自治会委員)選出のための公正な選挙管理委員会の設置。
3)選挙期間・方式をあらかじめ明示した上でのクラス在籍者過半数が出席することを条件とするクラス委員選挙及び公開の開票。
4)クラス委員総会において多数の支持をえた執行部の選出。
5)執行部による、全自治会員の総意を常時反映しうるような自治会規約案の提示と、その全自治会員の絶対多数による承認。
「われわれとしては、以上のような手続きが必要であると考えているが、これは自治会組織の民主性を保障する最低限の条件として、学生諸君の当然とするところでもあろうと思う。(右のような、)諸手続きを含めた学生自身による自治会再建がおし進められてゆくことを切に望む」と、告示は結ばれている。


【新入生歓迎実行委員会の呼び掛け】

「新歓実行委より文学部学友へ訴える」と題されたビラでは、「新入生を迎えるということは、逆に僕達の主体性が問われるということであり、自らの様々な体験を新入生と共有せんとすることである」として「僕達は、僕達の秩序を早稲田解放の中に位置づけ、自治会再建を内実化し、新入生を迎え入れようではないか」という呼び掛けとともに4つの提案がされた。
1)各クラスからも新入生歓迎のビラを出し、様々な表現で情宣を。
2)各クラスでパンフを作成し、新一年生に渡す。
3)各クラス・各専修で四月祭企画を準備しよう。
4)一人1000円のカンパを。
「各クラス」が強調されていることについて新歓実委は「既に各クラスが分化されてきているという否定的状況を考えるとき、僕達の、クラス自治、専修自治を十分に活かし切れる事のない自治会といった反省としてある。再度各クラスが、独自に企画し、準備し、それを担うということを先ず考えよう」と述べている。
なお、このビラには「一文新歓委員長・文責」とある。


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