1972年12月5日(火)「総長団交要求全学総決起集会」に1000人結集

提供: 19721108
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【概要】

午後、図書館前で「総長団交要求全学総決起集会」が開催された。一文では浅井邦夫第一文学部長、新保昇一学生担当教務主任、野口洋二同副主任の出席により学部団交を実現。最後に「総長に全学団交出席を要請する」という確約書に浅井学部長がサインした。革マルの巻き返し激しく、日中臨執メンバーは一文構内に入れず。クラス委員の選出にも遅れが出る。この日、傷害と暴力行為の容疑で革マル4人に逮捕状が出た。

【この日のできごと】

13:00 学生大会で成立した各学部の臨時執行部を公認しない当局に対して図書館前で「総長団交」要求全学総決起集会が1000名の結集で行われる。大学側は要求を拒否した。
昼過ぎ 一文・二文連合定例教授会・教員会開催中の情報を入手した一文臨執は、学生集会への出席を要請。
17:00 一文で初めての学部団交を実現。学生1000人が181教室に結集する。浅井邦二第一文学部長、新保昇一学生担当教務主任、野口洋二同副主任が出席。野口教務副主任は11月8日については「結果として判断を誤った」と認めたが、学部長以下は11.28学生大会の「意義を認める」と繰り返すだけ。
22:05 「総長に全学団交出席要請をする」という確約書への回答期限を12月6日昼までとして、浅井学部長は署名した。
■革マル派は「11.8問題の否定的教訓にふまえ、革命的学生運動を推進せよ」と「解放」12/5号に革共同革マル派中央学生組織委員会名で主張を掲載した 。
■阿波崎文雄(25)、村上文男(24)、近藤隆史(24)、武原光志(21)、佐竹実(22)5名に逮捕状が執行される。阿波崎が2J級友への傷害と暴力行為、他の4人は暴力行為の容疑。

【一文の学部団交で読み上げられた当局告示】

「学生諸君へ
今回の川口君の不幸な事件以来、文学部は学生の総意を反映しうるような学生自治のあり方について、われわれの立場からの検討を続けている。しかし、学部長及び学部教授会・教員会の考え方が、現在必ずしも正確に諸君に伝わっていないので、次のことを明らかにしたい。
文学部は、つねに学生自治会の正常な発展を望みこれを禁止する意図は全く持っていない。従って、正常な自治会活動に対する学生諸君の熱意に期待しており、その具体的なあらわれとしての11月28日の集会の意義を十分に尊重する立場に立っていることはいうまでもない。われわれは、その集会の性格について慎重に検討するとともに、学生諸君の今後の着実な努力の積み重ねを見守っている。
なお、学部は、今回の事件の今日までの経過及び措置について教授会・教員会の見解を明らかにし、近く学生諸君に配布するつもりである。学生諸君のこの問題についての建設的な検討を期待し、ともに暴力の根絶に努力したい。
昭和47年12月5日
第一・第二文学部教授会・教員会」

【文学部団交での当局側の発言】

団交の席上浅井邦二学部長は学生大会の承認に関して「11月28日の“学生集会”の意義を十分評価する。学部投票で過半数の支持を得、執行部が正式にスタートすれば、承認にやぶさかでない」と述べたが、キャンパスへの機動隊導入については「機動隊導入は総長が学生の生命の安全を考え決定した。私はこれを支持しただけだ」と、権限があくまで総長にあると主張した。
川口君が連れ去られた11月8日に級友からの通報を受けて127教室へ行った野口洋二学生担当教務副主任は、「見に行ったが、何も見えなかった。しかし結果的に私は判断を誤った」と述べた。判断を誤ったことは謝罪に当たらないのだろうか。(以上、各発言は1972年12月6日付毎日新聞より引用)

【確約書の内容】

5時間に及んだ団交の末、浅井学部長は村井総長に団交出席を要請する旨の確約書にサインした。
「文学部長の私は、村井総長が全学生の前に出て見解を表明することを必要と認めます。その為に文学部長として村井総長に冬休み前の全学団交(集会)への出席を今日中に要請します。その全学団交に私は参加します。
私は全学団交(集会)への総長と私の(判読不能)までに回答します。
(判読不能)と場所において大衆的に行なう。
全学団交の日時・場所については全学の臨執会議に一任します。
47年12月5日 浅井邦二(著名)」(第一文学部臨執声明No.8より)

【臨執による総括】

12月12日に出された臨執からのビラには学部団交後の経緯がまとめられている。
「さて、12月5日文学部団交は、その要求が各クラスで十分議論されていなかった限界性にもかかわらず、一つの問題点が明確になりました。我々臨執は当局に対して正式に会見を申し入れしたにもかかわらず、拒否されたこと。その為我々は千人もの学友の力でもって団交申し入れを克ちとりました。ところが団交の際、学部長の発言は我々の自立をめざす闘いへの敵対以外の何ものでもありません。すなはち『自治会を認める、認めないは学生自身の問題である』と言いながら、『学生大会を始めとするこの間の動きの意義は認めるが学生大会・臨執は認めない』等の発言はどう考えても革マル派と同じ居直りと問題のすり替えではないだろうか。我々は当局のこの様な敵対に対して断固戦いを継続し、自治会室の解放、自治会費凍結解除、学生自治権の獲得を闘い取っていくつもりです。」

【リンク】

当局の不当な対応を我々は許さない! 一文臨時執行委員会