1972年11月18日(土)文学部181教室で糾弾集会。馬場前委員長等が確約書に署名

提供: 19721108
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【概要】

「自治会員の10分の1以上の要求があれば(学生大会を)開ける」という規約(11条)にのっとり、一文・二文・政経・教育の四学部で自治会執行部リコールのための学生大会開催を呼びかける署名集めが始まった。午後1時から一文181教室で開かれた集会では、集まった一般学生1000人の前で馬場素明前委員長に「リコールが成立したら即刻、執行部、クラス委員は辞任する」という確約書にサインを要求。若干の修正を経て、革マル派4人がサインした。この日、有志を含め25サークルによって“11.8サークル連絡会議”が結成された。

【この日のできごと】

◎一・二文「退出時刻厳守」の告示を掲出。
◎”11.8サークル連絡会議”(=サ連)20サークルによって結成される(有志を含めると25サークル)。
14:30 文学部181教室で革マル糾弾学生集会1000人。
■馬場革マル派全学連前委員長(ほか3名)は「リコール運動に対して暴力的行為で妨害しない。学生大会でリコールが成立したらそれを認める。新執行部に対して暴力的干渉はしない」と確約書に署名するが、同時に「20日に全学集会を開く」と、反撃に入る姿勢も示した。

【11.8サークル連絡会議の結成】

“11.8サークル連絡会議”(以下「サ連」)が20サークルの参加によって結成された。この集会でサ連は「革マルの川口君虐殺糾弾」「革マルのサークル運動圧殺を許さない」「当局のサークル管理体制粉砕、第二学館解放」の3項目を確認。翌日に「自由なサークル運動の発展をかちとろう」の一項目を加えた。サ連は「われわれの原則的な態度は、革マルが誠実な自己批判を具体的に表明しない限り一切の居直りは許さない、ということであり、従って自己批判ぬきの居直り集会は認めない」とその態度を明らかにした。参加サークルは、早大中国研究会、早大映画研究会、早稲田部落問題研究会、婦人問題研究会、早大共同体研究会、反戦株主の会、早大現代出版研究会、雑誌研究会、早大水俣病を告発する会、新全国総合開発研究会、ML研究会など。(早稲田キャンパス第168号より)

【確約書の内容】

当初の確約書は「現在、文学部で進められている革マル自治会執行部の解散を要求するリコール運動を暴力で圧殺せず、リコールが成立したら即刻、執行部、クラス委員は辞任する」という内容だった。これに対し馬場前委員長は「原則的には同意するが、われわれの自己批判として自分の文章で書きたい」と答え、最終的に議長団が用意した確約書に若干の修正を加えることで同意した。最終的な確約書は「革マル派全学連の一員である私は、川口君殺害を深く反省し、現在進められているリコール運動を脅迫的、暴力的に妨害しない。学生大会が開かれ、正式にリコールが成立すれば、当然のこととしてただちに認める。新自治会執行部、全自治会員に対し一切暴力的に干渉しない」となった。(1972年11月19日付毎日新聞より)

【演壇のスローガン】

一文のクラ討連の集会が開かれた181教室の演壇には「われわれの手で革マル自治会を糾弾し、われわれの自治会の創造を」というスローガンが掲げられた。

【教授たちの声】

「教授たちの間には『革マルがねらったのは対立するセクトだけ』『セクトに関係ない人間は平和に暮らしていた』という意見もある。連日の革マル糾弾集会も『集まったのは一般学生だが、牛耳ったのはセクト学生だ』と評価する。この考えは『施設管理さえ強化すれば大学当局の対応策は一段落』とする学部長会、理事会の考え方にも共通している。『今週中は授業は行わないが、われわれはこの期間も出校して諸君と話し合いたいと望んでいる』——早大第一・第二文学部教授会・教員会の呼びかけだが、実際には学生集会に出席した教員はごくわずか。学生たちとのミゾは深まるばかり、という声が強い」(1972年11月19日付朝日新聞より)


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