「1973年1月8日(月)大隈銅像前で全学総決起集会200名。内黒ヘル100名」の版間の差分
提供: 19721108
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:[https://drive.google.com/open?id=1AR0bzDU_8Neoog5JNtDqMu7vMP-iW6tK 1.8集会貫徹!文学部キャンパス解放! 早大全学行動委員会連合(準)] | :[https://drive.google.com/open?id=1AR0bzDU_8Neoog5JNtDqMu7vMP-iW6tK 1.8集会貫徹!文学部キャンパス解放! 早大全学行動委員会連合(準)] |
2021年7月24日 (土) 10:11時点における版
【概要】
- 前夜の泊まり込みを経て、11時から1.8集会実行委員会主催の全学総決起集会を開く予定だったが、図書館前で集会とデモを展開していた革マルに阻まれ正午からの開催となった。参加200名の内100名が黒ヘルを着用。
【この日のできごと】
- ◎文学部を初め各学部の授業が始まったが、新聞見出しは「騒然と休み明け」。
- 8:00 革マル250人は文学部221室にプラカード・竹竿数十本で集合の後、田中のデモ指揮で本部に移動。
- 9:00 本部図書館前で「自治会乗っ取り粉砕」「北爆糾弾」の集会とデモを行う。胸と背に「闘う自治会を守れ」などのゼッケン。
- 正午 全学部自治会連絡会議を中心とする「1.8集会実行委員会」は本部大隈銅像前にて「全学総決起集会」200名。内100名は黒ヘルメット姿(「ヘルメット是非論争」もあった)。「11.8川口君虐殺糾弾!全学団交勝利!早大解放!」がテーマ。
- 19:00 「中核派が押しかけるとの情報がある」と文学部は夜間ロックアウトを早め休講 に。
- ■革マルがプラカードを偽装した角材を使用。頭部を殴打された学友が多出した。
【ヘルメット着用をめぐって】
- 革マルの巻き返しが本格的になった12月以降、デモや集会の妨害も増えた。それに伴って直接的なぶつかり合いも頻度を加え、けが人も出るようになった。この時期に革マルがよく使ったのはプラカードに見せかけた角材で、揉み合いに紛れてこの角材で頭を殴打する暴行が日常化しつつあった。これに対抗する自衛手段としてのヘルメット着用が行動委を中心に提案されたが、意志一致にはいたらなかった。
- この日のヘルメット着用についての一文臨執の見解が1973年2月10日付の「早稲田キャンパス」に載った。「ヘルメットはかぶるかかぶらないかの二者択一の問題ではなく、どの程度の危機的状況で着用するかが問題である。まずヘルメットは着用しないが、非常時に備えてメットを用意しておくことはある」。また、1月12日の一文行動委員会連合(準)のビラには次のような記載がある。
- 「1.8当日、我々は、革マル派との対決の中で、初めて端初的な自衛武装を開始した。これは、具体的に斗争が発展する中で、不可避に必要とされるものであり、早大斗争の到達段階を示している。その意味で我々がヘルメットを被ったことについて、種々の意見があり、徹底的な討論が必要であることを、我々は何ら否定的に捉えておらず、偏見を捨てた積極的な 論争こそが問われていると考える。
- 我々がヘルメットを着用した理由は、第一に、一文臨執・クラ共と共に越冬体制の成果をもって1.8集会を具体的に実現する時、革マルによる武装制圧は当日前もってわかっていたし、早大キャンパスには、自衛武装を抜きにした登場は不可能だったという事である。1.8集会の場での「私はヘルメットなしでいいが、ヘルメットの諸君は、ノンヘルの学友を守って欲しい」という発言はその意味で、全くナンセンスであり、一人一人が主体的に自主的に斗いにどう参加し、**するのかという観点から、自らの闘いを*らんことを訴える」(原文ママ。一部判読不能。)
- 朝日新聞は1月9日付の朝刊で次のように報じた。「(前略)このうち約百人は黒ヘルメットをかぶり、さかんにデモをして人目をひいた。この黒ヘル集団は、サークル連絡会議、各学部の『行動委員会』、リンチ事件で死んだ川口君の同級生の一部などが主体。この風体に対し、一部の学生たちは『革マルと同じじゃないか』『学生間に違和感が生まれ、運動が広がらない』などと反発の声をあげ、黒ヘルの学生との間に『ヘルメット是非論争』もあった。しかし、黒ヘル集団は『革マル派の暴力に対抗する』『プラカードと同じで意思表示の手段にすぎない』として最後までヘルメットをとらず、 反革マル陣営に運動の進め方で微妙な食違いがあることを示した、との見方も関係者の間に出た。」
【村井総長「自治会問題に思う」】
- 冬休み明けのこの日、キャンパスでは村井資長総長の名前で「自治会問題に思う」と題された文書が配布された。「自治会刷新の動き」という見出しの部分には、自治会再建に対する次のようなコメントがある。「私は今回の自治会刷新の運動が、特定のセクトを追い出すことだけを目指したものだとは思っていません。またこの運動に結集した学生諸君が少数であるとも考えません。この運動によって、政治セクトによる自治会の私物化と政治的利用、自治会活動に名を借りた集団暴行などを排除しようとする学生諸君の総意にもとづく清新な自治会活動を目指す息吹が、いま大学に動きはじめたのだといえましょう」。
- つづけて総長は、「まだまだ煮つめられていない若干の問題」として4点を挙げている。「第一に、自治会は何のために存在するのでしょうか。(中略)この点については、広く学生諸君の主体性において、充分な討論がなされ、自ら解決されなければならないと思います。」「つぎに学生政治セクトをどのように考えるのかという問題があります。(中略)問題は、あるセクトが他のセクトや対立意見をもつものを否定したり、自らの政治的利害だけを基準に行動するために暴力を用いることにあるといえます。そうしようとするのでないかぎり、いわゆるセクトも、その存在を否定されるべきではないでしょう。」「第3に、自治会の運営とその組織化について述べなければなりません。さまざまな考えをもった多数学生で構成された自治会を運営していくには、それだけの力量をもった者でなければ到底困難な側面があります。」「第4に、自治会費はいままでのところ、大学が自動的に代行徴収するかたちをとっていますが、このかたちでよいのでしょうか。また、学生一人ひとりの教育上の要求を自治会はどのようにして調整すればよいのでしょうか」。
- そして最後は次のように結ばれている。「学生自治会の刷新の問題をめぐって、いま早稲田大学は苦しみのただ中にあります。最近の学生諸君の動きのなかに、このたびの不幸な事件を決して無にしないという強い決意をみるとき、私は大いに勇気づけられます。新しい年を迎え、これからは学生諸君にとって卒業試験、学年末試験などもっとも重要な時期ですが、それとともに自治会問題もまた諸君にとって重要な問題です。諸君の充分な討議のうえに、より多くの納得と合意が得られ、大多数の支持と総意を基盤とする新しい学生自治会が創造されることを願わずにはいられません。」
【社会科学部の情宣】
- 社会科学部の臨時執行部は前年11月28日を経て立上がったが、年が明けた8日からは、連日ビラを配るなど積極的な情宣活動を展開した。(早稲田キャンパス第173号より)
【リンク】